『自分の中に毒を持て』を読んだ
2023/03/08
目次
概要
岡本太郎展に行く予定があったため、岡本太郎の人生や思想を予習しておきたくて『自分の中に毒を持て』を読みました。
この本には岡本太郎の経験や哲学、人生観などが本人の言葉で書かれており、当時の若者や日本に対しての主張も多々ありました。
また生き方や社会の問題から友人関係や恋愛など幅広いトピックがあったと思います。
「芸術は爆発だ」という言葉はあまりにも有名で、岡本太郎が気にままに発した言葉ですが、無条件に生きて生命を輝かせることが芸術であり、運命と対決して歓喜することが本当の生命感だという、本書で語られる多くの主張や経験の根底に流れる哲学を表わす最も適切な言葉だと思います。
感想
全体の感想としては、岡本太郎の言葉はものすごくまっすぐで正直な印象を受けました。
言葉を飾ったり高尚に見せるために難解な言い回しをしたりすることはなく、本当に純粋な本心をそのまま表現しているような感じで、語っていることにとても迫力がありました。
また、「弱い自分を認めてしまえばむしろ平気になってくる」、「無条件に生きるから情熱がでてくる」、「自分を追いつめて己と対峙する」、「人生は積み減らして瞬間瞬間に命を賭けることで運命をひらく」などの岡本太郎の思想は単に処世術や自己啓発などの言葉では言い表せないような、パワーとリアリティを感じさせます。
そしてそのような瞬間瞬間に人生を賭けて命を輝かせる生命力に満ちた生き方自体が、芸術なのだということを説得力を持って訴えてきます。
他人と自分を比べて劣等感を感じたり、将来を心配して安全な選択ばかりしてしまったりしている時に、岡本太郎の言葉は勇気を与えて、歓喜に満ちた生き方を促してくれます。
また、岡本太郎は分業化された現代人を批判し、芸術家そして人間として生きろと言います。
これは賛同できることで、自分は情報工学の学生・エンジニアだから情報の勉強とプログラミングだけやっていれば良いなどと思わずに、理系やエンジニア、学生などといった枠に囚われることなく、文化や芸術、哲学に触れながら、無条件に爆発して情熱を持って生きたいと思いました。
岡本太郎展の感想
この本を読んだ後に行った岡本太郎展の感想は日報に書きました。
まとめ
特に落ち込んでいる時や行き詰まっている時に、何度も読み返して咀嚼したい言葉がたくさんありました。 岡本太郎は瞬間瞬間に人生を賭けて、無条件・無目的に爆発する生き方を考えて実践し、その生き様を作品にぶつけた芸術家・人間だということが、岡本太郎自身の言葉を通じて感じることができて良かったです。
危険なこと、辛いこと、つまり死と対面し対決するとき、人間は燃えあがる。それは生きがいであり、そのときわきおこるのがしあわせでなくて"歓喜"なんだ。
『自分の中に毒を持て』 岡本太郎